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CHAMBRAY
シャンブレーシャツと言えば、ワークウェアの中でも王道中の王道。色褪せることのない魅力が詰まったプロダクトだ。
しかしてシャンブレーとは、そう問われたら。
今さら聞けない。そんなの知ってる。
どちらだっていい。永きに渡って男達を魅了し続けたその魅力を、紐解こう。
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シャンブレーとは生地の名称である。デニムと似た生地、ということはよく知られているが、実際何がどうして似ているのか。
まずシャンブレーとは、経糸(たていと)に色糸を、緯糸(よこいと)に白糸(もしくは別の色糸)を用いた平織りの生地のことを指す。
現在ではミリタリーやワークウェアとして名高い生地だが、古く発祥はフランスの「カンブレー」という町だとされている。この町の名が語源とされ、当時は聖職者の衣類に使用された。
霜降り状のムラのある生地感が最大の特徴だ。染めた色糸と、染めのない白糸を組み合わせて織るため、ムラ感が顕著で奥行きのある風合いが楽しめる。
そしてこの組み合わせた織りで、光の当たり方によって見え方が変化する、ある一種「玉虫色」のような構造色が楽しめる。のっぺりとした安っぽいカラーにならず、ワークでありながら上品で高級感を併せ持つ。
デニムもシャンブレー同様に、経糸=色糸・緯糸=白糸で織るために、デニムと似た生地とされる。
が、シャンブレーが平織りなのに対してデニムは綾織りであることが最大の違いになる。デニムは綾織りで厚みがあるのに対して、シャンブレーは平織りで薄い。しかし、薄いながらに丈夫なのがワークウェアとして愛される所以だ。薄地で軽く、そして丈夫。通年で愛されるシャンブレーシャツの実力だ。
※本写真はMS033とは異なるシャンブレーシャツです。
そしてデニムと比類される最大の理由。それは経年変化。
色落ちが楽しめ、着る度に移ろうその風合い。なんとアタリやパッカリングまでも楽しめるのだから、ニクイシャツだ。
さる時代の洋画であの俳優が着ていたような。新品では出せない、コスト重視のある意味「平たい」ような生地には出せない、リアルの味わい。新品時とはまたひと味違った、“カッコイイシャツ”、に自分の手で育て上げる、そんなワクワクするプロダクトなのだ。
首元には当時防寒・防塵の役目を果たしたと言われるチンストラップ。頑強で、色落ち後に浮き出るのが楽しみなトリプルニードル、3本針の裏環巻き縫いステッチ。袖捲りでシックなアクセントになる、カラーちがいで補強された袖裏。胸には左右非対称のガチャポケ。そして旧式力織機で織り上げたシャンブレーでしか味わえないセルヴィッチ。サイドでチラ見えする裾マチのセルヴィッチが最高のアクセント。
MOMOTAROのシャンブレーシャツは、ヴィンテージのロマンとワクワクを集めて形にしたようなシャツだ。
「そうは言ってもただのシャツだろう?」
侮るなかれ!
まさに万能、その実力をとくと。